はじめに
本記事ではエンジニア(プログラマー)がクラウドソーシングで案件を受注するときの、方法と注意点について説明します。
クラウドソーシングとは
まずクラウドソーシングの定義についてですが、クラウドソーシングは特定の業務(開発、ライティング、デザイン)などを依頼したい人が、インターネットを通して不特定多数の人に募集をし、作業を委託するプロセスのことです。雇用関係にある必要はなく、基本的には業務委託という形式で行うことが一般的です。
一方でアウトソーシングという言葉もありますが、こちらは特定の企業や人に対して、作業を依頼することで、不特定多数か、特定の人かでクラウドソーシングとアウトソーシングの定義は変わります。
おすすめのクラウドソーシングサイト
クラウドワークス
こちらは国内最大級のクラウドソーシングサイトです。こちらはジャンルとしてはシステム開発、HP制作、デザイン、ライティング、アイデア、マーケティングなど様々なカテゴリで仕事があり、案件数は2021年5月現在で募集されている数は、8939件もあります。
また開発(システム開発とアプリ・スマートフォン開発)だけでフィルターしてみても、300件近くの案件が現在も募集されており、エンジニアの方にとってはチャンスの場がたくさんあると言えるでしょう。HP作成、デザインなどもできればさらに活躍の場は広がると言えます。
ランサーズ
こちらもクラウドワークスに続いて、国内で大規模のクラウドソーシングサイトです。こちらもクラウドワークスと同様に、システム開発、Web制作、デザイン、ライティング、マーケティングなどクラウドワークスと同じようなカテゴリが並んでいます。案件数は2021年5月現在で募集されている数は、6120件となっています。
続いて、エンジニア向けとして、システム開発・運用でフィルターしてみると、1914件もありかなりありますが、確認した限り常駐型の所謂SESのような形式も数多く見られるため、皆さんがイメージしているリモートワークで自分の時間で開発し納品というスタイルができそうなのは実質的に200件ほどになるかと思います。
Upwork
続いて少し毛色は変わりますが、こちらはグローバル規模でクラウドソーシングを運営しているUpworkというサイトです。英語ではありますがグローバル規模で案件を受けることができ、また案件数は確認できませんでしたが、推定だと1000万人以上のフリーランサーが登録しているとのことで、もの凄い規模のサイトです。
私がメインとしているAndroidアプリ開発だけでもかなりの量の募集案件が登録されていますので、もし英語に挑戦したい、もしくは英語が使えるという方はこちらで案件を探すのが最も効率的かつ継続性の高いサイトになるのではないかと思います。
freelancer(フリーランサー)
こちらもUpworkと同様にグローバルで展開している、海外のクラウドソーシングサイトです。サイトがUpworkよりも分かりやすく探しやすい印象を受けます。こちらも全て英語ではありますが、案件数は2021年5月現在で18324件となっています。クラウドワークスの2倍以上ですね。
またサイト自体は日本語に翻訳されているため、英語が少し苦手な方には使いやすいサイトとなっています(案件の内容は発注者の母国語で記載されています)。こちらもAndroidと検索してみたところ、Androidの案件は789件もありました。
エンジニアが案件受注率を上げるには
続いてエンジニアが案件を受注するために、最も効果的な方法をいくつか紹介します。
わかり易い言葉を使用する
まず1点目としてわかり易い言葉使うということです。エンジニアは往々にして難しい横文字や専門用語を使ってしまいがちです。確かに業務や実務の中では使うので慣れてしまうというのはあるのですが、多くのクライアント(発注者)はよくわからず案件を出していることも多いので、なるべく相手がわかり易い言葉を使いましょう。
またどうしてもわかりにくい単語や用語を使う場合には必ず説明を入れ、一回目の相手への営業メールや提案などで、「よくわからないなこいつ….」と思われないようにしましょう。。
要件を細分化してあげる
次に2点目として要件を細分化するということです。クライアントが記載している要件が事細かに書いてあることはかなり稀です。それもそのはずで相手もよくわからないから依頼しているのであって、ましてやソフトウェアやWebのことなどエンジニア目線からしたら何も知らないレベルで依頼をしてきます。
そのため要件に矛盾が合ったり、認識齟齬が生まれること多いので、要件を細分化し1つ1つを理解し合う必要があります。もちろんこちらの手間もありますので、ある程度テンプレートなどを作っておくことが必要だと思いますが、要件は細分化してあげると相手からの信頼を得やすくなります。
提案をする
最後に提案をするということです。エンジニアによっては当たり前かもしれませんし、当たり前ではないかもしれません。通常の開発現場では要件は明確に決められ、仕様もある程度決められ、その後に実際の開発が進められることがほとんどですよね(最近はなんちゃってアジャイルもありますが…..)
クラウドソーシングでは基本的にチャットやメールでのやり取りがメインになりますので、要件が迷走していたり、的を得ない仕様が多々見受けられます。こういうときはエンジニアの腕の見せ所で、より工数が少なくコストも掛からない方法を提案してあげることで、相手からの信頼を得ると同時に、提案できるエンジニアとして相手からすれば嬉しい存在となるでしょう。
クラウドソーシングの注意点3選
ここではクラウドソーシングで案件を受注して、実際に作業する場合には必ず注意しておく点を3点紹介します。
作業を開始する際は慎重に
まず1点目は安易に作業を始めないということです。私がよく利用するクラウドワークスというサイトでは、契約が決まった後に発注者が仮払いをするという制度があります。これはクラウドワークス上の運営者が一時的にお金を預かり、双方の金銭的なやりとりのこじれを極力減らすことに繋がっています。
なぜかというと、発注者はお金を一時的にでも払うので、受注者に騙して契約をなかったことにすることを簡単にできなくなります。一方受注者側も発注者に逃げられることは、大きな損失に繋がりますので、仮払いがされれば少し安心ができます。
このような場合に気をつけなければならないのが、仮払いをされる前や契約前に作業を開始しないということです。もちろんあまり受注経験がなければ、まずは作って出来たもので契約するというやり方も無いことはないですが、時間も労力も無駄になってしまう可能性が高いので、クラウドワークス内では仮払いされるまで作業は行わないようにしましょう。
他のサイトでも同様のような双方を守る仕組みはありますので、必ずそれに従って作業(開発)を進めるようにしましょう。
要件を明確にする
こちらは実際の現場でもよく起こり得ることですね・・・。要件が明確に定まっていないと、納品時に「これがない」「あれがない」ということが多々起こります。特に要件をざっくり書いているようなクライアントだと、後々追加要望が出てくるケースが多いので、こちらは契約前に必ず要件を明確にし、開発する部分・しない部分を双方で必ず認識合わせしましょう。
裏を返せば、それらを明確にしようとしないクライアントは、後々文句を言ってくる可能性が高いので、文字の位置やフォントなどは細かすぎるかもしれませんが、機能単位での要件は必ず明確にしておきましょう。
要件以外のことを依頼されたら断る
最後にこちらは2点目と少し似ている部分がありますが、要件の追加をお願いされた場合でも、当初契約した要件以外のことは簡単に引き受けるのは絶対にやめましょう。
例えば納品した後に、お金を支払ってくれないんじゃないかという不安に襲われることがあると思います。そうなった時に追加要望があるとついやってしまいがちです。ただここは断固として拒否し、クライアントと話し合って解決するようにしましょう。もし難しくても追加開発を受けるのではなく、クラウドソーシングサイトの運営者や時には弁護士、第三者に頼ることをしましょう。
まとめ
今回は、エンジニアがクラウドソーシングで案件を受注する際の、おすすめクラウドソーシングや、案件を受注するための方法、そして案件を受注した後の注意点などを解決しました。実際に私も数十件受注実績はありますが、最初の頃は入金されずに泣き寝入りしたことや、契約前に作業を開始し契約に至らず無駄骨だったことなのがありましたので、ぜひ気をつけて頂ければと思います。
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