統合セキュリティシステムに興味を持った理由
エンジニアなら、「AWS」とか「Google Cloud」のようなクラウドサービスの話を振られることはよくあるが、先日エンジニアコミュニティの話で、セキュリティ関連の話題があった。
聞いてみると、統合セキュリティシステム を開発しているGenetecという企業があるらしい。
正直、セキュリティと聞くと「ファイアウォール」とか「ウイルス対策ソフト」みたいなサイバーセキュリティを思い浮かべることが多い。ただ「Genetecはそれだけじゃなくて、監視カメラや入退室管理などの物理セキュリティとデジタルセキュリティを統合した仕組みを提供している」らしい。
最近、企業のセキュリティ対策がどんどん高度化していることはニュースなどで目にする。特に 「ゼロトラスト」 という概念が広まり、外部はもちろん、社内ネットワークすらも「信用しない」前提でセキュリティを強化する動きがある。
確かに、リモートワークの普及やクラウド化が進む中で、物理的なアクセス管理とデジタルセキュリティを組み合わせるニーズは増えていそうだ。
なので今回は統合セキュリティシステム「Genetec」について調べてみることにした。
そもそも統合セキュリティシステムとは?
「統合セキュリティシステム」という言葉を聞いて、最初はピンとこなかった。
普段エンジニアとして働いていると、サーバーのセキュリティ対策 や システムの脆弱性 には関心があるが、それとは違うアプローチの話のようだ。
調べてみると、統合セキュリティシステムとは、物理セキュリティ(監視カメラ・入退室管理など)とデジタルセキュリティ(ファイアウォール・アクセス制御など)を一元管理する仕組みのことらしい。
たとえば、大企業のオフィスでは、社員の入退室記録と、社内ネットワークのアクセスログを紐づけて管理することで、不審な動きを検知できる。
・「会社のサーバーに深夜ログインした人物が、実際にはオフィスにいない」
・「退職者のIDが使われているが、入館記録がない」
といった状況があれば、すぐに異常としてアラートを出せるわけだ。
物理セキュリティとデジタルセキュリティの融合
これまで、物理的なセキュリティと、デジタルなセキュリティは別々に管理されるのが一般的だった。
・オフィスのセキュリティ担当は「監視カメラ」や「入館証の管理」
・IT部門は「サーバーアクセス」や「ファイアウォールの設定」
というように、分業されていた。
でも、最近では サイバー攻撃と物理侵入が連携した犯罪も増えている らしい。
例えば、ある企業では「内部関係者がUSBメモリを社内のPCに挿してマルウェアを仕込む」といった内部脅威が問題になったこともあるという。
こうしたケースでは、単に「誰がどのPCにログインしたか」だけでなく、「その人物がオフィスにいたのか?」という物理的な情報も重要になる。
そこで登場するのが、統合セキュリティシステム だ。
「物理空間での行動」と「デジタル空間でのアクセス」をひとつのシステムで管理することで、より高度なセキュリティを実現できる。
企業にとってのメリット
この仕組みを導入することで、企業には以下のようなメリットがある。
- 不正アクセスの検出
→ 物理入館記録とシステムログを照合し、不審なアクセスを即座に検知 - 情報漏洩のリスク低減
→ 内部関係者の不正行為も含めて監視できる - セキュリティ管理の効率化
→ 複数のシステムを統合することで、管理の手間が減る
このあたりを見て、「なるほど、統合セキュリティシステムって単なる監視カメラの強化じゃなくて、もっと幅広い概念なんだな」と感じた。
そして、こうした統合セキュリティシステムを提供している代表的な企業のひとつが、Genetec だということがわかった。
カナダ発のGenetecとは?
Genetec(ジェネテック)は、1997年にカナダ・モントリオールで設立された企業で、主に 監視カメラシステム、入退室管理、ナンバープレート認識システムなどを統合したセキュリティプラットフォーム を提供している。
日本でいうところの セコム に近いイメージだが、単なる警備会社ではなく、高度なIT技術を活用して物理・デジタルの両方をカバーするセキュリティシステムを開発している点が特徴 だ。
例えば、監視カメラの映像をAIで解析し、不審者の行動パターンをリアルタイムで検出 したり、オフィスや工場の入退室データとネットワークのアクセス履歴を連携させる ことで、不正なログインや情報漏洩のリスクを軽減する仕組みを作っている。
もともとは北米やヨーロッパを中心に展開していた企業だったが、最近になって 日本市場にも本格的に進出 しているらしい。
実際、公式サイトを見てみると、日本語対応もしっかりしており、日本の企業向けのソリューションを積極的に提供していることがわかる。
また、Genetecの技術は、警察機関や空港などの公共機関にも導入されている という点も興味深い。
公共のセキュリティが厳しくなる中で、こうした高度な統合システムが必要とされているのだろう。
Genetecは、単なるセキュリティ会社ではなく、監視カメラ・入退室管理・ネットワークセキュリティを統合した「次世代のセキュリティプラットフォーム」を提供している企業 と言える。
次は、そんなGenetecの代表的なサービス「セキュリティセンターのGenetec」について詳しく見ていこう。
Genetecの主力サービス「セキュリティセンターのGenetec」とは?
Genetecが提供するサービスの中でも、特に注目すべきなのが 「セキュリティセンターのGenetec」 という統合プラットフォームだ。
公式サイトにも詳しい情報があるが、簡単に言うと、監視カメラ、入退室管理、ナンバープレート認識、アラーム監視など、あらゆるセキュリティシステムを一元管理できるソリューション というイメージだ。
① セキュリティの全機能を統合
通常、企業や施設のセキュリティシステムは バラバラに管理されている ことが多い。
例えば、
- 監視カメラシステム → 別のメーカーのものを導入
- 入退室管理 → 専用のICカードシステム
- 警報システム → 防犯会社の契約サービス
こうしたシステムが分かれていると、データを連携させるのが難しく、異常が発生してもすぐに気づけないことがある。
例えば、「あるエリアで不審な人物が検知されたが、入退室管理システムにはその人物の記録がない」といった事態が起きた場合、すぐに対応できるとは限らない。
しかし、「セキュリティセンターのGenetec」なら、すべてのセキュリティ機能を一つのプラットフォームで統合管理 できる。
- 監視カメラと入退室管理を連携
- 特定のエリアで異常が発生した場合、自動でアラートを出し、カメラ映像を確認
- 施設のセキュリティ全体をリアルタイムで可視化
このように、個別のシステムを一つのインターフェースで管理できるのが大きな特徴だ。
② クラウド対応で柔軟な運用が可能
もう一つの特徴は、クラウド環境での運用が可能 という点だ。
一般的なセキュリティシステムは オンプレミス(社内サーバーで運用) が多いが、Genetecは クラウドベースのソリューション も提供している。
これによって、
- 複数拠点のセキュリティを一括管理 できる
- リモートワークや出張中でも、管理画面から状況を確認 できる
- AIを活用した異常検知システムを導入しやすい
といったメリットがある。
特に、昨今のセキュリティ環境では 「ゼロトラストセキュリティ」 が重視されており、「社内ネットワークにいるから安全」という考え方は通用しなくなっている。
そのため、クラウドを活用して遠隔からでもセキュリティを強化できる仕組みは、今後ますます需要が高まりそう だ。
③ 企業や自治体での導入事例
Genetecの「セキュリティセンター」は、企業だけでなく、自治体や公共機関でも採用されている という。
例えば、
- 空港や鉄道の監視システム
- 大規模な商業施設やオフィスビルのセキュリティ管理
- 警察機関の防犯監視
といった用途で使われている。
実際に、Genetecのシステムを導入することで「監視業務の効率化」「異常発生時の迅速な対応」が実現できたケースが多数あるそうだ。
このように、「セキュリティセンターのGenetec」は、企業のセキュリティ管理を一元化し、よりスマートに運用できる次世代のソリューション と言える。
実際にGenetecの統合セキュリティシステムを見て思ったこと
ここまで調べてみて、「統合セキュリティシステム」という考え方は、これからの時代にますます重要になりそう だと感じた。
特に印象的だったのは、クラウド対応で複数拠点の管理ができる点。
セキュリティといえば「物理的な警備」が主流だったが、IT技術を駆使することで、オフィスだけでなくリモート環境でも一貫したセキュリティ管理ができる のは大きな強みだと思う。
また、「監視カメラ+入退室管理+ネットワークログの統合」という仕組みは、サイバー攻撃と物理的な不正アクセスを同時に防ぐ という点で、今後さらに導入が進みそうだ。
企業や自治体だけでなく、中小企業でもこうした統合型のセキュリティシステムが一般的になれば、よりスマートで安全な環境が実現できるかもしれない。
この分野は今後さらに進化しそうなので、引き続き注目していきたい。
まとめ:統合セキュリティシステムの進化とGenetecの可能性
今回、「統合セキュリティシステム」について調べる中で、物理的なセキュリティとデジタルセキュリティを統合する流れが加速している ことがよく分かった。
特に、Genetecの「セキュリティセンターのGenetec」は、監視カメラ、入退室管理、ネットワークセキュリティを一元管理できる次世代のプラットフォーム という点が魅力的だ。
企業のセキュリティ対策は年々高度化しており、従来のバラバラな管理では限界がある。そうした中で、一元管理できるソリューションが今後さらに普及していく可能性は高い だろう。
また、Genetecは日本市場にも本格進出しており、今後、国内の企業や自治体での導入が増えるかもしれない。
セキュリティの課題は、企業規模を問わず重要になってきているため、この分野の技術進化には引き続き注目していきたい と思う。
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