エンジニアリング(工学)とテクノロジー(技術)の違いとは

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エンジニアリングとは

エンジニアリング 工学 

 まず、エンジニアリングの説明について、Wikipediaを引っ張ってくると下記と記載されています。

工学(こうがく、英: enginnering)またはエンジニアリングとは、基礎科学である数学・科学・物理学などを工業生産に応用する学問

引用 : 工学 – Wikipedia

 広義の意味である、基礎科学とされる数学や・化学・物理学を用いて、世の中に出回っている製品やサービスなどに応用していく学問を示しています。大学の学部でイメージすると分かりやすいと思いますが、一般的に「理学部」が数学や化学などの学科を扱っています。
 反対に「工学部」では工学と名前がつくように、数学や化学を応用して作られる、情報工学、建築、機械工学などの学科を扱っています。

 最近では「理工学部」というような、まとめて総称している大学もありますが、「エンジニアリング」と言えば「工学部」のことを指します

テクノロジーとは

テクノロジー バイオ 化学

 続いて、テクノロジーとはこちらもWikipediaによると下記と記載されています。

テクノロジー(英: technology)とは基本的に「特定の分野における知識の実用化」とされたり、「科学的知識を個別領域における実際的目的のために工学的に応用する方法論」とされる、用語・概念である。

引用 : テクノロジー – Wikipedia

 つまり、テクノロジー自体は製品やサービスを生み出すための理論というだけではなく、製品の元となる本質的な技術を用語や概念に置き換えたものということになります。
 エンジニアリングと対して、数学や化学の理論そのものが一般の方にとって有益なものでなく、それらを利用して何かを生み出すことが出来る下地ということになります。

 

エンジニアリングとテクノロジーの違い

比較 違い

 既にある程度理解されたとは思いますが、テクノロジーは技術や概念そのものを示しており、エンジニアリングは、それらを活用して製品やサービスを生み出すためのプロセスや生産方法を示しています。

 具体例として、最近話題である「5G」というテクノロジーがあると思います。「5G」をテクノロジーという意味で考えると、基地局にMassive MIMOをという方法を付加し、理論的に「大容量・低遅延・多接続」を実現するために方法論です。

 エンジニアリングという面で考えると、「5G」を作り上げるためには基地局を増やしたり、アンテナを実際に構築していく必要があり、設備開発・設備導入・生産管理・コスト管理・設置スケジュールなど実際に作り上げるためには、テクノロジーを応用して、どのように一般の消費者に届けるかを考えなければなりません。
 また、5Gが使えるようになるだけでなく、5Gを応用したサービスとしてAR/XRや自動運転などを構築していくことも「エンジニアリング」と言えます。

(参考)ITエンジニアとしての考え方

考え方 続く道 将来

 ITエンジニアとして研究などに携わっていない方は基本的に「エンジニアリング」の業務に従事している方が多いと思います。ITエンジニアとしては偉大なる研究者達が考えてきた理論や考え方を、実際のサービスとして作り上げることが使命となります。

 プログラミングを例に上げてみると、プログラム自体は誰かが作ったもので、それを我々は利用することでLINEなどのチャットアプリや、スマートフォンのような製品を利用することが出来ています。プログラミングという概念がなければ、これらは未だに存在しない世の中であったことは間違いないですが、我々は単にプログラミングを利用したというだけであって、他に別の概念や方法があればそちらを利用出来るということです。

 最近ではローコード、ノーコードツールもかなり増えてきましたが、サービスを作るのに車輪の再発明をする必要はありません。重視すべき点としては作りたい製品・サービスに応じて何を「手段」として利用するかが大事であって、常にプログラミングをすべきではないですし、一方ノーコードで全て事足りない場合もあるでしょう。

 手段にとらわれず常に最新のテクノロジーを知っておき、いつでも使える状態にしておくことがエンジニアとしての役割なのかもしれません。(キャッチアップは大変ですが….)

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