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Python開発入門6 Pythonの型変換とキャストを解説

はじめに

プログラミングを行う上で、データ型の変換(型変換やキャスト)は非常に重要な操作です。Pythonでは、異なるデータ型を簡単に変換するための組み込み関数が豊富に用意されています。例えば、文字列を数値に変換したり、リストをタプルに変換したりする場面で、この機能が役立ちます。

この記事では、Pythonの型変換とキャストの基本的な使い方から応用例までを詳しく解説します。初心者でもわかりやすい具体例を用いて、各関数の使い方を学んでいきましょう。

型変換(Type Conversion)とは?

型変換とは、データ型を別の型に変換することを指します。Pythonでは主に以下の2種類の型変換が利用されます:

  1. 暗黙的型変換(Implicit Type Conversion)
    Pythonが自動的にデータ型を変換するケース。
  2. 明示的型変換(Explicit Type Conversion または Type Casting)
    開発者が明示的に型を変換するケース。

暗黙的型変換

Pythonでは、演算時に異なるデータ型を適切に変換し、処理を行います。これが暗黙的型変換です。

例:整数と浮動小数点数の演算

num_int = 5    # 整数型
num_float = 2.5  # 浮動小数点型

result = num_int + num_float
print(result)          # 7.5
print(type(result))    # <class 'float'>

ポイント: この例では、整数型が浮動小数点型に変換されています。

明示的型変換(Type Casting)

明示的型変換では、組み込み関数を使用してデータ型を変更します。主に以下の関数が利用されます:

主な型変換関数

関数説明
int()数値または文字列を整数型に変換
float()数値または文字列を浮動小数点型に変換
str()数値またはオブジェクトを文字列型に変換
list()イテラブルをリスト型に変換
tuple()イテラブルをタプル型に変換
set()イテラブルを集合型に変換
dict()タプルやリストを辞書型に変換

明示的型変換の使用例

以下は、主要な型変換の例です。

1. 数値型への変換

文字列を整数に変換
num_str = "123"
num_int = int(num_str)
print(num_int)          # 123
print(type(num_int))    # <class 'int'>
文字列を浮動小数点に変換
num_str = "3.14"
num_float = float(num_str)
print(num_float)        # 3.14
print(type(num_float))  # <class 'float'>

注意: 数字以外の文字列を数値に変換しようとするとエラーが発生します。

invalid_str = "abc"
num = int(invalid_str)  # ValueError: invalid literal for int()

2. 文字列型への変換

数値を文字列に変換します。

num = 456
num_str = str(num)
print(num_str)          # "456"
print(type(num_str))    # <class 'str'>

3. リストとタプルの相互変換

リストをタプルに変換
my_list = [1, 2, 3]
my_tuple = tuple(my_list)
print(my_tuple)         # (1, 2, 3)
print(type(my_tuple))   # <class 'tuple'>
タプルをリストに変換
my_tuple = (4, 5, 6)
my_list = list(my_tuple)
print(my_list)          # [4, 5, 6]
print(type(my_list))    # <class 'list'>

4. 集合型への変換

リストから集合を作成します。集合は重複を許さないデータ型です。

my_list = [1, 2, 2, 3]
my_set = set(my_list)
print(my_set)           # {1, 2, 3}

5. 辞書型への変換

リストまたはタプルを辞書に変換します。リストやタプルの中にキーと値のペアが必要です。

my_list = [("name", "Alice"), ("age", 25)]
my_dict = dict(my_list)
print(my_dict)          # {'name': 'Alice', 'age': 25}

型変換の応用例

ユーザー入力を数値に変換して計算

num1 = input("1つ目の数値を入力してください: ")
num2 = input("2つ目の数値を入力してください: ")

# 入力を数値型に変換
num1 = int(num1)
num2 = int(num2)

print("合計:", num1 + num2)

数値のリストを文字列に変換

numbers = [10, 20, 30]
str_numbers = [str(num) for num in numbers]
result = ", ".join(str_numbers)
print(result)           # "10, 20, 30"

型変換に関する注意点

  1. 無効な変換を避ける: 不適切なデータ型の変換を試みると、エラーが発生します。
invalid = "hello"
int(invalid)  # ValueError
  1. 暗黙的型変換を理解する: Pythonが自動的に型変換を行う場合、結果のデータ型に注意してください。
  2. 型チェック: type()を使用してデータ型を確認する習慣をつけましょう。

まとめ

Pythonの型変換とキャストは、プログラミングにおいて非常に重要な操作です。この記事では、暗黙的型変換と明示的型変換の違いを学び、さまざまな組み込み関数を使った型変換の例を紹介しました。これを理解することで、異なるデータ型を扱う際に柔軟で効率的なコードを書くことができるようになります。

ぜひこの記事を参考に、Pythonの型変換を実際のプロジェクトで活用してみてください!

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